(この記事は2020年8月27日に更新しています。)

何かあった訳じゃないけど仕事に行くことが辛い…

うつ病なんて会社は休ませてくれるのか…

辛くても働き続けないと生活ができない…
うつ病やパニック障害、解離性障害、強迫性障害…
精神疾患を抱える人は見た目は健常者と変わらないので、どうしてもその辛さや苦しみを理解されにくいです。
そしてそれらの心の病気を持つ方々は、真面目な人が多いからこそ病気であることを人には言いづらかったり、迷惑をかけちゃいけないと無理に頑張ってしまう人が多くいます。
働きたいという気持ちが強くあるのに、心や体がついてきてくれないということが多くあるのです。
この記事は、精神疾患を抱える人にもしっかりと適用される公的制度である「傷病手当金」についてまとめています。
この制度を使えという訳ではなく、この制度があるということを知ることで、精神疾患に悩むあなたの心に少しでも余裕を持っていただけたら幸いです!
傷病手当金は精神疾患でも使えるの?


そもそも傷病手当金って何なの?

精神疾患でも適用されるって、条件が難しいんじゃないの?
病気やケガの療養のための仕事を休まなければならないことがあるかと思います。
仕事中に起こったものではなく、プライベートで起きてしまった場合でもです。
療養が必要でも給料を稼げなくなったとしたら気が気じゃないですよね?
そんな時に病気やケガで働けなくなっても生活を支えてくれるのが健康保険の一種である『傷病手当金』です。

プライベートじゃないとダメなの?仕事中に起こった時はどうなるの?
傷病手当金は上記のように、プライベートで医療機関に受診した病気やケガに限ります。
もしも就労中に起こったものなら、傷病手当金ではなく『労災保険』が適用になります。
しかしもしも仕事が原因で精神疾患が発症したとしても、労災認定は認められにくい傾向があるようです。
だからこそ、傷病手当金についても知っておいた方が安心ですよね!

たしかにケガと違って、心の病気は「この時から」って断定しにくいもんね…
では傷病手当金が申請できる条件にはどのようなものがあるでしょうか?
1. 申請者本人が健康保険に加入していること
傷病手当金は健康保険に加入している人でないと適用されません。
健康保険は、いわゆる『社保』に加入してる人に付帯している保険であり、国民健康保険である『国保』とは異なります。
一番わかりやすいのは、会社や公務員などの「民間企業や公共機関に所属しているか」ということがわかりやすいかと思います。
※一括りにはそう言えない場合もあります。

えっ、じゃあ最近はフリーで活動している人なんかは適用されないの?
個人事業主やフリーターの場合には、傷病手当金は適用されません。
個人事業主やフリーターの場合には、自分で民間保険に加入するのも選択肢の1つですね!
※扶養家族の場合、もしもパートなどで就労してお金を稼いでいたとしても、傷病手当金の対象にはなりません。
2. 就労中の病気やケガでないこと
前述している通り、傷病手当金は労働時間外のプライベートで病院などに医療機関に受診した際に医師から就労不可と判断された時に申請することができます。

傷病手当金と労災保険ってそんなに違うものなの?
傷病手当金と労災保険との違いは、簡単には以下のようなものがあります。
傷病手当金 | 労災保険 | |
待機期間 | 業務外の事柄で、病気やケガの療養のための仕事を休んだ日から、連続して3日間の待機があり4日目以降に仕事に就けない場合。 | 就労中に病気やケガが発生し、休業から3日目までは適用されません。この時の補償は事業主が休業補償を行う。 |
受給金額 | 「支給開始日前の過去12ヶ月の各月の標準報酬月額を平均した額」÷30日×2/3 が支給される目安となる。 | 休業1日につき給付基礎日額の80% が支給。 |
受給期間 | 支給開始された日から最長1年6ヶ月。 | 一応の目安は、休業補償の支給に該当しなくなる程度まで。(働けるようになる程度まで) |
基本的には2つを同時に受給されることはないようですが、同時に受給できる場合もあるようなので、調べてみても面白いかもしれませんね。
3. 雇用主から給料を支給されなくなること
事業主が設けている病気休暇や有給休暇がなくなってしまい、給料が支給されなくなってしまった際に支給されます。

傷病手当金は奥の手って感じなんだね。
あくまで優先順位は有給などの方が上だということですね。
ちなみに休業が続き、給料が傷病手当金よりも下回った場合でも、傷病手当金は支給されるようなので、
「支給開始日前の過去12ヶ月の各月の標準報酬月額を平均した額」÷30日×2/3
この計算式で計算してみてもいいかもしれませんね!
4. 連続3日以上休んだ待機期間があること

月に3回とかではダメなの?
あくまで傷病手当金を申請するためには、連続3日以上の休みがあることが支給要件になります。
休業して3日間は支給されませんが、傷病手当金を支給されるために必要な3日間ということで理解しましょう。
また、この3日間には欠勤や有給だけでなく公休も該当します。
これだけ見てみると、傷病手当金の受給要件はすごくハードルが高いという訳ではないと思います。
ここで分かっていただきたいのは無理をしすぎないで、ちゃんと公的に認められた休息期間はあるんだよ、ということです。
傷病手当期間はどう過ごせばいいのか?

支給期間内にしないといけないことはどんなこと?

どのくらいの頻度で通院したりすればいいの?
もちろん傷病手当金の最大の目的はまた健康に働けるために休むことです。
そのためには医師の指示の元、しっかりと受診したり服薬も適切に行いましょう。
ちなみに医師の指示を無視して服薬しないなどした時は、傷病手当金の支給が停止されたりすることもあるようです。
また人によりますが、申請は一回きりというわけではなく、病気やケガが長続きして受給期間内に継続し支給が必要なことはもちろんあると思います。
会社では月に一度の支給のタイミングで申請する方が無難かと思います。
私の知人では週に一度は病院へ通院し、会社には月に一度は傷病手当金の支給申請をしていたようです。
しかしどうしても、今の会社に戻ることが辛いと思う人もいるかもしれません。
そんな方は、ぜひこちらの記事をご覧になっていただけたら幸いです↓
ここでお伝えしているのは、傷病手当金という公的に認められた制度で「今の自分の生活を安定させる」ことで、「これから長い人生のベースを整えていく」ということです。
傷病手当金は公的に認められた病気やケガと向き合って休むために補助してくれる制度です。
無理して体や心を壊してしまう前に、しっかりと助けてくれる制度があるということを知って、安心して働いていきましょう!
終わりに
いかがでしたでしょうか?
この記事は社労士さんなどのウェブサイトで調べたことをまとめたものです。
筆者自身が社労士という訳ではありません。
そのため大きく誤っている部分は無いと思いますが、個別のケースに合わせてアドバイスを送ることはできないということはご理解ください。
私自身、労災保険というものに関しては知っていましたが、傷病手当金というものに関しては、それを支給している人に会うまで知りませんでした。
この制度を知っているというだけで安心できる部分はあるかと思いますので、無理しすぎないで楽しく人生を過ごしていけたらいいですね!
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