(この記事は2020年9月11日に更新しています。)

社会保険は聞いたことあるけど詳しく知らないわ。

でもいまさら聞きにくいし、本とか読んでもわかりにくいし…。

なら給料と絡めて理解した方がいいかも!
社会保険について、社会人でもまず5つに分類されるものをすべて言える人すら少ないと思います。
というのは、基本的に雇用されて働いていると社会保険料は天引きされ、残るのは手取り金額だけになってしまいますからね。
見えないお金に対してはなかなか調べないかと思います。
しかし社会保険がどれだけ引かれて実際にどのように使われるかを知っていれば、もしもの時のリスク管理にもなりますので、ぜひご覧ください。
いまさら聞けない社会保険


そんなこと言っても、やっぱり難しそうだし…。

なるべくわかりやすく解説するよ!
社会保険は働き始めたばかりの人だと、どうしても手取りが減らされてネガティブなイメージがあるかもしれませんが、赤ちゃんから死ぬまで誰しもがお世話になる保険です。
社会保険の根底にあるのは、「一人は万人のために、万人は一人のために」という理念です。
普通に生活していても病気やケガ、労働災害や失業、加齢や介護の問題は誰しもが起こり得ます。
これをカバーしてくれるのが社会『保険』です。
民間の医療保険と同じものを、国が手厚くサポートしてくれるものなのです。
社会保険は次の5つに分類されます。
◯ 医療保険
◯ 雇用保険
◯ 労災保険
◯ 年金保険
◯ 介護保険
この5つの保険は広義の意味の社会保険とされていますが、狭義の意味の社会保険では、健康保険、年金保険、介護保険に分類されます。
他にも、雇用保険と労災保険を合わせて労働保険と呼んだりもします。
では今回は5つの保険をそれぞれ見ていきましょう。
ちなみにこれから出していく例は、30歳の会社員、月収(基本給)300,000円とします。
本来であれば通勤代や家賃補助なども考慮されますが、ここでは除きます。
医療保険(会社員の場合は健康保険)
医療保険とは、病気やケガになった時に治療費の一部を負担してくれる保険です。
当然ご存知だとは思いますが、「3割支払っている」というよりも「7割を負担してもらっている」と考えた方がありがたみがありますよね。

「保険」っていうからには、国が負担してくれているんだ。
さらに日本の医療保険が適用される医療制度には次の3つの特徴があります。
- 国民皆保険:日本人が誰でも安心して医療を受けられる公的医療保険。みんなが保険料を払っているからこそ成り立っています。
- フリーアクセス:患者は保険証1枚あれば、自由に医療機関を選択することができます。
- 現物給付(療養の給付):診療や検査、投薬や手術、入院などの治療に必要な医療を患者に行うことができます。
【医療保険の計算式】30歳の会社員、月収300,000円の場合
医療保険の場合は月収に『標準報酬月額』という分類表で、どのくらい支払うかがあらかじめ「等級」として分類されます。
月収300,000円の場合は【等級22】と分類され、その際の保険料にかかる料率は9.87%となります。
つまり
月収 300,000円 × 料率 9.87% = 保険料 29,610円
これが保険料となります。
しかしここから会社が半分保険料を負担してくれるため、
保険料 29,610円 ÷ 会社負担分2 = 14,805円
これが月に支払う医療保険(健康保険)料になります。
医療保険と年金保険は『標準報酬月額』という設定があるので、計算が少し複雑になります。
雇用保険
雇用保険とは、働いている労働者が失業して所得が無くなった場合に、生活を安定させることや再就職を図るために失業給付金などでサポートするための保険です。
失業給付金の他にも、『教育訓練給付金』という国が指定する教育訓練講座を自己負担で受けた際にも、入学料や受講料を経費の一部として支給してくれます。
教育訓練講座には、看護師や保育士、美容師などの専門職の資格を取るための講座もあります。

働くことをサポートしてくれるための保険なんだね!
【雇用保険の計算式】30歳の会社員、月収300,000円の場合
会社員の場合、月収に対して1000分の3が雇用保健として引かれます。
月収 300,000 ÷ 1000 × 3 = 900円
労災保険
労災保険は、会社員が通勤している際や就労している際に起きたトラブルで病気やケガ、もっと酷い場合には障害を負ったり死亡した際に保険給付を行う保険です。
正式名称は『労働者災害補償保険』といいますが、『労災』ということもあります。
似たような保険で、健康保険には『傷病手当金』というものがあります。
労災保険は傷病手当禁よりも療養のための自己負担がない分もあり、傷病手当金よりも手厚い保証になります。
【労災保険の計算式】30歳の会社員、月収300,000円の場合
会社員の場合、月収から労災保険での天引きはありません。
この保険は事業者が支払う保険になるためです。
年金保険(会社員なら厚生年金)
年金保険は、退職してからの老後の資金、働いている状態で死亡してしまった際に遺された家族の生活を支える、病気やケガで働けなくなった場合のサポートをしてくれる保険です。
年金保険には様々な種類が種類があります。
- 会社員などの職域を中心とした厚生年金保険
- 公務員が加入できる国家公務員共済保険
- 国民全員が対象の国民年金
- 船員保険
- 農業者年金
などがあります。
これらはそれぞれ違う運営元となっているため、一概に保険料の負担や年金の給付に差が生じることがあります。

自分や家族のために必要な保険なんだね。
【年金(厚生年金)保険の計算式】30歳の会社員、月収300,000円の場合
厚生年金も医療保険と同様に、『標準報酬月額』という分類表から『等級』で分類されます。
月収300,000円の場合は【等級19】と分類され、その際の保険料にかかる料率は18.3%となります。
つまり
月収 300,000円 × 料率 18.3% = 保険料 54,900円
これが保険料となります。
しかしここから会社が半分保険料を負担してくれるため、
保険料 54,900円 ÷ 会社負担分2 = 27,450円
これが月に支払う年金(厚生年金)保険料になります。
介護保険
介護保険は、会社に勤めているか問わず、介護が必要な人が生活を送るために必要な費用をサポートしてくれる保険です。
介護保険自体は介護が必要になれば誰でも申請はできますが、様々な手続きや介護保険が適応されるかの審査もあります。
介護保険は国ではなく、全国の市区町村で運営されています。

本当は介護を受けるようなことにならないのが一番!
【介護保険の計算式】30歳の会社員、月収300,000円の場合
介護保険は40歳以上、60歳未満に適用される保険のため、30歳では保険料はありません。
仮に40歳で手取りが300,000円だとすると、料率が1.79%となります。
月収300,000円 × 料率1.79% = 2,685円
となります。
終わりに
いかがでしたか?
社会保険の根底にあるのはみんなで困った人を助けようという理念です。
ここでは書けませんでしたが、社会保険は必要になったら本当に手厚く生活をサポートしてくれます。
ほぼ民間の保険は必要ないくらいです。
そのためどうしても「税金が高すぎる!」と思ってしまいますが、公的な保険サービスに加入していると思っておきたいですね!
すごく手厚いサポートなので、今後も一つ一つ保険の内容を見ていき、リスク管理に関しても考えていきたいと思います!
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