(この記事は2020年10月20日に更新しました。)
「会社を辞めたら生活できない…。」
そう思っている人は多くいると思います。
事実、転職先が決まっていない場合は生活水準を下げたりしないといけないでしょう。
でも、もしも今の会社に行くのが辛すぎる場合…
もしかすると体や心を壊してしまうかもしれません。
そうなると、一生背負っていく『傷』にもあるかもしれません。
そうなってしまう前に、もしも会社を辞めた場合にどのような方法で生活ができるかを知っておきましょう。
健康が何よりも最優先ですよ!
本当に心が壊れてしまう前に、必要な知識を入れておきましょう!
失業保険を理解しておこう!


失業保険は悪いものじゃない!
筆者は昔、失業保険を貰うことを想像すると、とても抵抗がありました。
「働けないなんて…」というイメージが強かったからです。
しかし失業保険はあくまで「次の働き先が見つかるまでのサポート」だと理解し、日本は改めて優しい国だと思いました。
ネガティブなイメージがあるかもしれませんが、もっとポジティブなものであると理解しましょう!
失業保険とは

失業保険を貰う条件って?
失業保険は自己都合や会社都合で失業した時に、再就職するための支援として給付される経済支援制度です。
これはパート、派遣社員、正社員などに関わらず、条件を満たしていれば給付されます。
そしてあくまで再就職するためということがポイントです。
そのため
- 自営業になるための退職
- 一旦退職して大学に入り直す
- すでに転職先が決まっている
- 家業を継ぐことになった
などの理由では受給できません。
そして受給するための要件が次のようなものになります。
失業保険の受給資格

ここはしっかり把握しよう!
一般的な離職であれば失業保険が給付できる条件として、
離職の日から前2年間で雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある
ことが条件としてあります。
しかし失業保険には、
特定理由離職者
という受給対象が設けられています。
この特定理由離職者は『特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準』の中に、
①体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
⑨上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者
と明文化されています。
この特定理由離職者は、一般的な離職者と「雇用保険の被保険者の期間」が異なり、次のようになります。
離職の日から前1年間で雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上ある
このように雇用保険の被保険者期間が半分となります。
もしも仕事での精神的な負担により精神疾患を診断されている場合には、失業保険を申請する際に医師の診断書を持っていくといいでしょう。
失業保険の受給額

これが一番気になるよね…。
失業保険の受給額は次のように決められています。
基本手当日給 = 賃金(退職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180)× 給付率(50~80%)
つまり一律ではないため、自分の6ヶ月分の給料を見つつ計算することになります。
しかし基本手当日給や賃金には上限額や下限額があります。
離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 | 基本手当日額の上限額 |
29歳以下 | 13,630円 | 6,815円 |
20~44歳 | 15,140円 | 7,570円 |
45~59歳 | 16,660円 | 8,330円 |
60~64歳 | 15,890円 | 7,150円 |
給付率は賃金日額の金額などによるため、このようなサイトで調べてみてもいいと思います。
ちなみに賃金日額、基本手当日額の下限額はこのようになります。
- 賃金日額:2500円
- 基本手当日額:2000円
上限額や給付率から、失業保険で給付されるのは
給料の45〜80%程度と考えていいでしょう
これでは生活するのは大変ですよね。
そのため失業保険を給付していても、バイトをすることは可能です。
その際には必ず以下のことを守りましょう。
- ハローワークに申告する
- 失業保険の待機期間(7日間はバイトをしない)
- 勤務時間は1日4時間以上で、週に20時間未満
あまりにもバイトをしすぎたら、受給できなくなることもあるので注意が必要です。
自己都合か会社都合かで大きく変わる!


受給期間が全然違うよ!
失業保険では、自己都合の離職か、会社都合の離職(特定理由離職者など)かで受給期間が変わります。
受給期間が違うということは貰える受給額も変わります。
受給金額は
基本手当日額 × 受給期間
であるため、とても重要になります。
自己都合か会社都合の違い

こんなに違うんだね!
自己都合での失業保険の受給期間はこのようになります。
被保険者期間 | |||
10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
自己都合の場合だと、年齢に限らず雇用保険の被保険者期間によって受給期間が変わります。
しかし会社都合(特定理由離職者など)の場合は以下のようになります。
被保険者期間 | ||||||
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | ||
年齢 | 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
30歳以上 35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上 45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 | |
45歳以上 60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
会社都合(特定理由離職者など)の場合は、雇用保険の被保険者期間と年齢によって変わります。
基本手当日額が7500円だとすると、
- 自己都合の離職:7500円 × 90日 = 675,000円
- 会社都合の離職:7500円 × 150日 = 1,125,000円
あくまで例ですが、かなりの金額差になりますね。
会社に行くのが辛くて、そのための離職だとしたら『特定理由離職者』となり得ます。
でも会社からは自己都合の退職として扱われることもあるようです。
ではどうすればいいのでしょう?
会社都合(特定理由離職者)になるには

自分の生活のために頑張ろう!
失業保険はハローワークで申請しますが、この際に『離職票』などの必要書類が必要になります。
しかし会社が発行する離職票に「自己都合のため」などと書いてあると、会社都合の手続きができません。
その際にはハローワークでの『申し立て』ができます。
会社でのパワハラやいじめによって離職せざるを得なかった場合、その証拠があれば申し立てができます。
会社都合による離職の証拠となるのは、
- パワハラの音声
- 嫌がらせのメール
- いじめの写メ
これらは証拠となるため、取っておくといいでしょう。
『退職代行』というサービスでは、会社都合での退職に持っていくことも多くあるようです。
一人で苦しみながら進めるより、これらのサービスを使ってみるのもアリかもしれませんね。
退職代行サービス
仕事のために体や心を壊してしまうというのは、本当に悲しいです。
そのために一生の傷を背負ってしまうかもしれません。
日本ではそうさせないための公的制度として失業保険があります。
健康が第一です!その会社は辞めてもいいんですよ!
心や体が壊れてしまう前に、行動しましょう!
終わりに
いかがでしたでしょうか?
仕事が辛くても、生活のために行っている。
そんな人は多いと思います。
特に真面目な人は、そういう人が多いですよね。
でも理不尽な扱いを受けるような職場なんて、すぐに辞めてしまった方がいいんです。
何よりも体が資本なんです。
もしも仕事を辞めたとしても、色々な方法で生活を送ることはできます。
仕事のための人生ではありません。
失業保険を使ったとしても、まったく問題はないんです。
絶対に無理しないようにしてくださいね!
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