【就労訓練の根本】職業準備性ピラミッドとは【階層性の考え】

障害者の自立に向けて

(この記事は2021年5月6日に更新しました。)


就労訓練の考えの一つとして『職業準備性ピラミッド』というものがあります。


就労訓練といっても、よく考えると世間には様々な仕事がありますよね。

  • 接客業
  • 経理
  • 営業
  • 農業
  • 生産業


挙げていくと、枚挙に暇がありません。


就労訓練とは、その様々な仕事の中でも「根本的な働く要素」に関してアプローチしていくものだと筆者は考えています。


そこで今回は就労訓練の現場でも有名な考え方の一つである『職業準備性ピラミッド』に関して紹介したいと思います。


職業準備性ピラミッドとは

Puenteより引用
そう。さん

就労訓練の大原則かも!


職業準備性ピラミッドとは、障害の有無に関わらず社会人が働く際に求められる能力を5階層に分類した図になります。


ピラミッドということで、基盤となる第1層からより高位の第5層に能力を分類することで、より基礎的な能力がなにか理解しやすいものです。

  • 第1層:健康管理
  • 第2層:日常生活管理
  • 第3層:対人技能
  • 第4層:基本的労働習慣
  • 第5層:職業適性


以上の5つの層に分かれています。


図のように、下位の項目が生活を送る上での基盤の能力となり、働くという習慣を身につけるためにいかに基盤が強固であるかが重要となります。


1つ1つの項目について見ていきましょう。


第1層:健康管理

そう。さん

最も重要な基盤だね!


そもそも健康状態が悪い中で働くということは、とても難しいですよね。


健康管理の中では、主に2つの内容に大別されます。


健康管理の2つの項目

障害への理解(自分の障害特性への理解)

健康維持(健康管理)


先天性の疾患や、精神的な疾患などは完治が難しい場合もあります。


大事なのは自分の障害に関して理解していることであり、

  • どういうことで自分の体調が悪くなるのか
  • どういう状態なら休んだ方がいいのか
  • 体調が悪くなったらどうすれば回復するのか


など、障害を持ちつつも、どのように自分の体調と向き合えるのかを理解することが大事です。


誰しも体調が悪くなることはあります。


障害があることが良くないことではなく、それがまったくコントロールが効かないことが問題です。


そのため働くという社会生活を送る上で「健康管理」が最も基盤となる第1層となります。


第2層:日常生活管理

そう。さん

体調と向き合えたなら…


第2層には、健康管理ができたうえでの「日常生活管理」が重要となります。


健康的な生活を送ってるけど、9時から就業時間なのに13時に起床してたらその会社で働くのは難しいですよね。


日常生活管理の2つの項目

規則正しい生活

地域生活


ついつい、ゲームなどに没頭してしまい寝不足になることなんかは、誰しも起こることです。


ただそのせいで仕事に多大な影響が出たりすると、なかなか今の日本の社会生活を送ることは難しくなります。


また、一人暮らしで就労支援に通っているのなら、なんらかの社会資源を利用していることも多くあります。


そのため規則的な生活に加え、有効に活用できる社会資源を利用してできるだけ無理なく生活できる基盤を整えることを目標とします。


第3層:対人スキル

そう。さん

対人関係は多くの人が悩むけど…


対人関係は社会人の悩みの中でも必ず上位に来るほどの問題です。


健康管理や日常生活の基盤を作りつつ、円滑なコミュニケーションの獲得が求められます。


対人スキルの3つの項目

職場での障害理解について

職場でのコミュニケーション

協調性


職場では、障害に理解がある人だけがいるケースは稀かと思います。


そこで自分から

  • どのような点で不自由さがあり協力が必要なのか
  • 協力を求めるために自ら話しかけることができる
  • 円滑なコミュニケーションのために周りとの友好的な関係が築ける


これらの対人スキルが必要になります。


もちろん、自分の体調を最優先にしつつにはなりますが、どうしても人間関係は切っても切れないものです。


そのためこの階層は仕事を維持していくために、とても重要な内容になります。


第4層:基本的労働習慣

そう。さん

ビジネスマナーだね!


第1〜3層までは生活を送るうえで非常に重要ですが、第4層と第5層はより仕事に則したものになります。


いわゆるビジネスマナーですが、これを欠く社会人は仕事のうえで信頼されずに人間関係の悪化にも繋がりかねません。


基本的労働習慣の3つの項目

■ ビジネスマナーの基礎知識

■ ホウ・レン・ソウをつねに心がける

■ 規則の厳守


障害を持っていない方でも、社会人として身に付けなければいけないことですね。


具体的には

  • その会社に応じた身だしなみ
  • 敬語
  • 接客
  • 電話応対
  • 定期報告や進捗状況の報告
  • 会社の就業規則などの独自のルールの遵守など


一般的なビジネスマナーに加え、その会社独自のルールに関しても理解していかなければいけません。


そのため第3層の対人スキルでも言えることですが、自分の体調を管理するうえでも信頼して相談できる人の存在が重要ですね。


第5層:職業適性

そう。さん

ここまで上りつめた!


ついに職業準備性ピラミッドの最上位である「職業適性」に関してです。


これは業務を行う上で必要な適性能力を指します。


職業適性の3つの項目

■ 職務への適性、持続力がある

■ 職務遂行に必要な知識、スキルがある

■ 作業の質や正確さが高い


これらは実際に仕事をする中で誰しも求められる能力になります。


より仕事での生産性を上げ、より会社に対して利益を上げることができることで、会社に求められる人材となります。


もちろん、これはより基盤となる健康や生活能力が担保されていることで目指せるものです。


この職業適性を上げようと躍起になることで、自らの体調をおろそかにするようなことがあってはいけません。


なによりも大事なのは、あなたが健康で充実した生活を送ることができることですから。


終わりに


いかがでしたでしょうか?


職業準備性ピラミッドでより重要なのは基盤である健康維持や生活習慣を身につけることです。


この部分をおろそかにして働くということは、一般的な社会人として働くのは難しいかと思います。


例えばフリーランスなど、会社や時間に縛られないような生活であれば問題ないかもしれません。


しかしフリーランスになるのであれば、

  • 税金や社会保険などの知識
  • フリーランスとして働けるだけの特殊技能(スキル)
  • 期限内に確実に成果を上げるプロ意識


これらは必要になるかと思います。


もちろんフリーランスになることを希望するのはまったく問題ありません。


しかしフリーランスになったとしても、ビジネススキルや営業力、集客力などのスキルは必要になります。


そのため、この職業準備性ピラミッドを一つの指針を基に、今の自分に何が必要なのかを考えてみるのもいいかもしれませんね!

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