この記事は2022年4月17日に更新しました。
『傷病手当金』という言葉は知っているものの、実際にどんな制度かを知らない人は多いかと思います。
実際、傷病手当金を使わずに健康的に働けることが一番ですしね。
ただどんな制度かを知っていたら、自分が病気や怪我になった時のセーフティネットになるものです。
そこで今回は傷病手当金についての概要や、2022年から何が変わったかをまとめたいと思います。
・傷病手当金について簡単に知りたい
・傷病手当金を申請しようか迷っている
・2022年から何が変わったかを知りたい
このような人はぜひご覧いただけたらと思います。
自分の身を守ってくれる制度についてはしっかりと把握しておきましょう!
傷病手当金について2022年から変わった変更点は

2022年から傷病手当金が変わった点は以下になります。
傷病手当金の支給期間が通算化した
これだけだとよくわかりませんよね(笑)
そこで厚生労働省で出されたわかりやすい資料があります。

変更前の傷病手当金の支給期間は、最初に欠勤した時の療養期間から1年6ヶ月でした。
怪我はともかく、病気の場合は途中で仕事に復帰することってありますよね?
変更前の傷病手当金の支給期間は途中で仕事に復帰しても、最初に療養した日付から1年6ヶ月という括りだったのです。
しかし2022年からの変更では、仕事に復帰して給料をもらった際にその期間は1年6ヶ月から除外するものとなりました。
つまり一律した支給期間ではなく、療養期間を通算して傷病手当金が支給されるということです!
仕事に復帰してから再度療養する場合には、実質的に支給期間が伸びたという理解でもいいかもしれません。
傷病手当金という制度の改善といっても良いですね!
そもそも傷病手当金とは

傷病手当金は怪我や病気によって、健康保険加入者が働けなくなった際には支給される手当金です。
元々は怪我によって支給されていた傷病手当金ですが、昨今はうつ病などが増加し精神疾患でも受給できるようになりました。
以前に傷病手当金についてまとめたので、ぜひこちらもご覧いただけたらと思います!
傷病手当金が支給されるには以下のような要件があります。
・業務時間外で怪我や病気になってしまった
・仕事をすることが難しいと判断された
・4日以上(連続3日を含む)仕事ができない
・仕事を休んでいる時に給与の支払いがない
以上の支給要件を満たしている必要があります。
前述した通り、うつ病などの精神疾患においても傷病手当金が対象になり得ます。
大前提として健康保険の加入者である必要がありますが、健康保険に加入しているのであれば派遣社員やアルバイトも対象になります!
ちなみに傷病手当金はあくまで、「業務時間外」の怪我や病気に対するものです。
業務時間中に生じた怪我に関しては『労災保険』が適用されます!
こちらに関してもまた別途まとめていきたいと思います。
傷病手当金の変更に伴う支給金額の考え方

では傷病手当金の変更を踏まえたうえで支給金額についてまとめていきます!
2022年の傷病手当金の変更には支給金額に関しての変更はありません。
そのため元々の傷病手当金の受給額をそのまま参考にしたいと思います。
支払い開始日以前の12ヶ月の標準報酬月額を平均した金額 ÷ 30日 × 2/3
さぁ複雑になりましたね笑
標準報酬月額とは、給料などの報酬金額を一定の金額ごとに区分したものです。

こちらは一部抜粋したものです。
標準報酬月額は年ごとや都道府県ごとに少し金額にばらつきがあるので、こちらから標準報酬月額が確認できます。
では実際に過去12ヶ月平均300,000円の報酬をもらっていた傷病手当金の金額を考えてみます。
支払い開始日から12ヶ月の平均:300,000円
標準報酬月額(東京都):290,000〜310,000円=300,000円
300,000円 ÷ 30日 × 2/3 = 6,666円
つまり傷病手当金は1日あたり6,666円が支給されることになります!
働けずに休んでいる状態でもこれだけ貰えたらかなりありがたいですよね!
さぁここから傷病手当金の変更前と変更後の給料と受け取り金額について考えてみると…
※社会保険料等は考慮しません

こちらは支給期間内で復職しても、支給開始日から1年半という期限があります。
次に変更後の支給イメージを見てみましょう!

支給後のイメージは上のようになります!
復職している期間は支給期間から引かれ、療養期間のみだけで1年6ヶ月が考慮されます。
そのため復職期間と支給期間が重複しない、という感じですね!
この制度の変更は、頑張って復職しようとしている方にとってはとてもありがたい変更だと思います。
「怪我や病気で大変だけど、働きたい!」という人への救済措置の拡大とも取れますよね。
本当は傷病手当金は利用しないことがベストです。
でももしもの可能性はどんな人にもあります。
だからこそ、傷病手当金だけでなく色々な社会保障制度について知っておいて損はないですね!
終わりに
今回は2022年1月から変更となった傷病手当金の変更についてまとめてみました。
前述しましたが、傷病手当金はうつ病などの精神疾患でも適用となります。
ただうつ病などは職場環境や人間関係に起因することが多くあります。
そのため職場が原因で傷病手当金を受給するのであれば、転職などを考える方がいいのかもしれません。
働くことは大事ですが、なにより大事なのは自身の健康です。
このような制度を知っていることで、もしもの時に社会的な保証が受けられると気持ちに余裕ができるかもしれません。
日本は公的なサポートが充実している国だと筆者は思っています。
色々な制度があるので、ぜひ一緒にこれからも勉強していけたらと思っています!
当サイト運営者がいる 就労継続支援B型施設『フライト』
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